破風板金

 

 

①耐風性の向上

破風板の主な役割は耐風性の向上です。

破風板が無ければ屋内(屋根裏)に風が吹き込み、屋根材を浮かせたり、飛ばしてしまうという恐れがあります。
そこで破風板を取り付けることにより、風が吹き込むのを防止しています。

②雨漏れ対策

切妻屋根の場合、雨は屋根の勾配を利用し雨樋に流しています。

しかし横殴り雨の場合は、建物の側面に直接雨があたってしまいます。

その為、破風板を取り付けることで屋内への雨の侵入を防ぐという目的もあります。

③耐火性の向上

火災が発生した場合、火は下から上へ回っていきます。

そこで破風板は、屋根裏へ火が回るのを遅らせるという役目もあります。

④美観性の向上

破風板を取り付けることで、屋根を構成している垂木や野地板といった下地が見えないようスッキリとした仕上がりになります。

また軒天ベニヤを取付けるための板でもあり、軒天を張ることで屋根を突き出しても美観性を保てます。

現在、破風板には様々な素材が使用されています。

それぞれ特徴があるので素材別に説明していきます。

破風板の素材①木材

木製の破風板

 

数十年前は、破風板に木材(ラワン材)が多く使用されていました。

しかし木材の破風板は、木なので「耐火性」はもちろん、「耐久性」も低いため、現在ではほとんど使用されなくなっています

木の破風板は、少しでも耐久性を持たせるため、塗装により塗膜を張って強度を保っています。

ですが、木材は雨に当たることで水分を含み、乾燥する段階で伸縮を行います。

その為、反りが発生したり、塗膜が伸縮に耐え切れず剥がれしまうといった症状が発生します。

塗膜が剥がれると再塗装を行う必要があり、メンテナンスの頻度は必然的に高くなってしまうといった欠点もあります。

破風板の素材②金属系

金属製の破風板

 

屋根材にも使用されることが多いのが金属系です。

特にガルバリウム鋼鈑は耐久性に非常に優れた素材です。

ガルバリウム鋼鈑は加工性にも優れている為、破風板に使用することが出来ます。

正確には、木下地などの上にガルバリウム鋼板を巻いて仕上げたものです。

木材より「耐水性、耐火性」に優れている為、破風板には適した素材です。

ガルバリウム鋼鈑のメンテナンスは主に塗装です。

再塗装を行うことで、耐久性だけでなく美観性を保つことが出来ます。

破風板の素材③窯業系

窯業系の破風板

 

外壁材として使用されることが多いのが窯業系です。

窯業系とはセメント繊維質を原料とし成形した建材です。

超高温で熱処理を行い成形する為、非常に耐火性の高い素材です。

近年の建物には、この窯業系の破風板が主に使用されています。

しかし窯業系は、金属と異なり吸水性があって、雨には強くありません。

木材ほどではありませんが、定期的な塗装が必要となります。

破風板の素材④ケイカル板

ケイカル製の破風板

 

軒天材としてよく使用されるのだケイカル板です。

ケイカル板は、ケイ酸質原料や石灰質原料や繊維や混和材料などが主な原料となっています。

不燃材料であり、しっかりと塗装を行えば、それなりの耐久性が期待できます。

最近では、窯業系が多くなってきましたが、まだ使われている材料です。

こちらも、吸水性があるので、放置してしまうと表面がボロボロと剥がれてきます。

破風板の素材⑤モルタル

モルタル製の破風板

 

外壁材と同質に仕上げられたモルタルの破風板もあります。

モルタルは、セメント、水、砂を混合させたもので、耐久性、耐火性に優れています

外壁と同様の質感になるので、統一感と美観性に優れます。

ですが、「導入コストがかかる点」や「技術が必要な点」、「重量があり耐震性に劣る点」などデメリットもあり、モルタル仕上げの破風板はあまり多くはみられません。

耐久性は高いですが、地震や劣化などで、「ひび割れ」が発生するので、外壁などと一緒に塗装が必要となります。